ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地トップページ > 呉市議会 > 令和元年度 文教企業委員会行政視察報告

令和元年度 文教企業委員会行政視察報告

期日

令和元年10月15日(火曜日)~17日(木曜日)

視察委員

田中みわ子(委員長)、阪井昌行(副委員長)、山上文恵、梶山政孝、橋口晶,、神田隆彦、北川一清、中田光政

視察都市

月   日 視 察 先 調 査 事 項
 
10月15日(火曜日) 千葉県船橋市 小学校・中学校の給食について
小中学校運動部活動指導者派遣事業

10月16日(水曜日)

山梨県甲府市 ※台風19号の影響により中止
国会議事堂訪問、地元選出の国会議員と面会
10月17日(木曜日) 東京都調布市 小学校・中学校の給食について
調布市防災教育の日

視察目的

 小学校給食では、小学校36校中28校が自校調理方式で行っているが、9校の給食室が既に減価償却の耐用年数を経過しているほか、今後10年間で給食室24施設、共同調理場1施設が償却期間を経過するといった現状である。また、ドライ方式の給食室が少ないこと、給食室のエアコン整備や調理設備の老朽化などの衛生管理もあわせて課題となっている。
 中学校給食では、旧市内の16校でデリバリー方式の給食を実施しているが、給食を開始した平成27年には45.1%であった喫食率が、平成31年4月時点で27%と低下していることが大きな課題となっている。
 呉市の小学校、中学校の給食のあり方について検討するため、各市の先進的な取り組みを調査する事を目的とした視察を行い、併せて視察先で行われている部活動の外部指導者派遣、小学校全校が一斉に防災教育を行うといった特色ある取り組みを視察した。

千葉県船橋市

(1)調査内容

ア.小学校・中学校の給食について
 船橋市の学校給食では、小学校、中学校の全校で自校調理式による給食を行っている。各学校には栄養教諭または職員を配置し、各学校で献立を作成して給食を通じた食育の推進を行っている。また、各学校で献立を作成するためアレルギーのある生徒へ柔軟な対応ができるといった利点がある。
 給食室は、老朽化が進んでいるため、順次、ドライ方式へ大規模改修を行っている。
 中学校給食では、平成5年から平成16年にかけて順次給食を整備し、その際、ランチルームを全校に設置した。全生徒および教諭が昼食をランチルームで食べることで積極的な交流が図られており、給食の喫食率は平成30年度で96.4%となっている。
 中学校給食の献立は、主食が米飯のものとパンまたは麺の2種類と持参弁当の選択制になっている。また、給食を選択制にすることにより、望ましい食生活を身につけ、自己管理能力を養うことにつながっている。
 その他、調理業務の積極的な民間委託、給食費の公会計化といった取り組みが行われている。

イ.小中学校運動部活動指導者派遣事業
 小中学校運動部活動指導者派遣事業は、千葉県が行っている事業であり、船橋市では今年度から県に申請し、10名の部活動指導者が派遣されている。
 この事業の部活動指導者は、報酬が時給1,600円、週6時間以内、年間35週以内で指導することができ、また、単独で試合等の引率をすることができる。なお、部活動指導者の費用は、国・県・市で3分の1ずつの負担となっている。

(2)質疑応答

 小学校・中学校の給食については、持参弁当との選択制を採用している理由、ランチルームの導入経緯、運用方法、利用状況、調理の民間委託の契約内容などについて質疑を行った。
 小中学校運動部活動指導者派遣事業については、部活動指導者の行える範囲、制度の補助の内容、教職員の働き方改革との関連性などについて質疑を行った。

(3)呉市での展開の可能性

 各学校に栄養教諭または職員を配置し各学校で献立を作成することは、アレルギーのある生徒へ柔軟な対応を行うために必要ではないか。
 ランチルームは、空き教室が必要となるなど導入は難しいかもしれないが、全校生徒が交流を図りながら給食を食べるという機会は、喫食率向上の一因になるのではないか。
 広島県では部活動指導者派遣事業は行われていないが、呉市では外部指導員がボランティアで運動部活動を指導している中学校もある。派遣事業と同様、外部指導員も報酬や試合等の引率が単独でできるようになれば、教職員の働き方改革につながるのではないか。

東京都調布市

(1)調査内容

ア.小学校・中学校の給食について
 調布市の中学校給食は、小学校で調理した給食を中学校へ配送する親子方式と持参弁当の選択制で、喫食率は96.6パーセントとなっている。親子方式を選択した経緯は、中学校給食の検討をしている時期に小学校の児童が減少しており、新たな給食設備を整備するよりも既存の小学校の給食設備を活用することが合理的と判断したためである。なお、近年は生徒数が増加している地域もあり、小学校と中学校の組み合わせの変更や調理能力が限界に達している小学校があることが課題となっている。
 給食の運搬については、現在、最長区間で2.7キロメートル、所要時間が15分以内となっており、給食は二重構造の食缶を利用して保温している。なお、運搬のみの委託が行われている。
 中学校給食におけるアレルギー対策は、詳細な献立表を生徒に渡し、原則、生徒本人が除去する自己除去の対応をとっている。
 小学校の給食室の改修は、20校中11校が終了しており、今後も年1校のペースで改修していく予定である。

イ.調布市防災教育の日
 平成23年に発生した東日本大震災を教訓に、平成24年度から年1回、市立小学校・中学校が全校一斉に防災訓練を行う調布市防災教育の日を定めており、令和元年度には8回目の訓練が行われた。
 訓練は、小学校と中学校のほか、保護者、地域の方や団体などが参加し、毎年延べ約3万人が参加している。
 今後の課題は、市・学校・関係機関の連携や、より実効的な訓練への見直しを行い、持続可能な訓練としていくことである。

(2)質疑応答

 小学校・中学校の給食については、運搬の際の給食の保温方法、給食室及び給食に係る設備の改修状況、給食室のエアコンの整備状況、調理と運搬の委託状況などについて質疑を行った。
 調布市防災教育の日については、地域の参加者が減少してきている理由、継続して行われている訓練がどのように生かされているかなどの質疑を行った。

(3)呉市での展開の可能性

 呉市では、小学校の給食施設の改修が必要な学校が多いため、改修に合わせて親子方式の導入を検討することができないか。
 食缶を利用した給食の運搬方法を、現在呉市で行っているデリバリー方式に導入することで温かい給食が提供できるのではないか。
 学校の防災教育については、呉市でも保護者、地域、団体が協力して行う訓練を積極的に取り入れる必要がある。