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呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)リニューアルプロジェクト [完成編]

更新日:2026年3月30日更新 印刷ページ表示
Story

#02

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)リニューアルプロジェクト [完成編]

装い新たに100年愛されるミュージアムへ

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)リニューアルプロジェクトの写真1

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)リニューアルプロジェクトの写真2

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)リニューアルプロジェクトの写真3

プロジェクト概要

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)の写真

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)リニューアルプロジェクト​

「大和ミュージアム」の愛称で知られる、呉市海事歴史科学館。地方都市にある博物館としては異例の年間約80万人という来館者数を誇るミュージアムは、2005年4月の開館から20年の節目を迎えた。施設の老朽化や建築基準法改正などに対応する必要性、新規展示を含む大幅な展示更新へのニーズの高まりを受けて、建物自体と館内設備、展示内容の総合的なリニューアルが決まった。2026年4月に予定されるリニューアルオープンに向けて、2024年10月より工事に着手、2025年2月からは全面休館に入って本格的な工事が始まった。1年余の長い休館は、施設開設以来初めてのこと。工事は急ピッチで進め予定通り2026年3月末に完成した。

メンバー

K.Aさんの写真

主に大和ミュージアムの施設・設備に係るリニューアル全般​

海事歴史科学館
学芸課 課長補佐

1993年度入庁

K.A

E.Hさんの写真

統括/サテライト運営等の休館対策、リニューアル開館へ向けたPR、工事管理​

海事歴史科学館
学芸課
課長​

1991年度入庁

E.H​

Chapter 1

Chapter 1の写真

開館20年、初の大規模リニューアルが完了

「大和ミュージアム」の愛称で知られる呉市海事歴史科学館が、2005年4月の開館から20年の節目を迎え、初めての大規模リニューアルプロジェクトを行った。
開館当初、20万人程度を想定していた年間来館者数は、初年度、地方の歴史博物館としては異例の160万人を記録。その後も毎年約80万人が訪れ、想定を大きく上回る入館者による過剰な負担で、施設・設備の劣化は通常の経年変化の域を超えていた。この20年の間には建築基準法改正もあり、現行法に適合していない「既存不適格」の箇所を改修する必要にも迫られていたのだ。
また、日本中から貴重な資料の寄贈が相次ぎ、所蔵する資料は約25万点。展示の定期更新だけでは公開しきれなかった資料を展示できるよう、建物と館内設備だけでなく、展示内容の刷新も含めた総合的なリニューアルが決定した。工事が始まったのは、2024年6月。2025年2月からは全面休館して本格的な工事が始まった。前例のない長期休館をようやく終え、この4月、ついに新生大和ミュージアムが幕を開けた。

Chapter 2

Chapter 2の写真

避けられない工期見直しがプレッシャーに

「20年前のミュージアム建設に、先輩技師が携わっていたんです。海だったこの土地を埋め立てるところから始まったので、当時は、なんてすごいことをしているんだろう、とてつもないものを作っているなと思っていました。先輩方のミュージアムにかける熱い思いを耳にしてきたので、そのリニューアルに自分が携われたことは、運命というか、本当にありがたいことだと思います」
1993年に入庁し、建築技師として経験を積んできたK.Aさんは、2022年に学芸課へ異動となった。主な担当業務は、施設・設備のリニューアルに関して施工業者をはじめ関係各所と調整協議を行うこと。プロジェクトを進める過程で、最も苦慮したのは「工期について」だったと振り返る。
当初は2025年春までの1年間で完了させる計画だった工期を、2年間に延長して、2026年リニューアルオープンするべくスケジュールを見直した。人手不足や、社会情勢等の影響により資材調達の遅延が発生していたためだ。
「工事がスタートする前年、2023年にチーム全員で工期の見直しを行いました。休館を伴うので、そこに関するプレッシャーはとても大きかったです。関係各所の理解を求めて、先頭に立って説明を行うリーダー、E.Hさんの姿には『良いリニューアルにするんだ』という熱い思いと覚悟、強い決意を感じました。それがあったからこそ、今に至る着実な歩みができたのだと考えています」
これまで、建築技師として様々なプロジェクトに携わってきたK.Aさんは「設計や計画の修正は極力避けてきた」という。
「たとえ前向きな理由からだとしても、変更はマイナスイメージを持たれがちです。入庁して30年、なるべく避けるようにと教えられてきたので、変更・修正には慎重なスタンスで仕事に臨んできました。しかし、このプロジェクトに携わって、自分の姿勢が変わりました。関係者の方に負担はかけてしまいますが、協議のうえ理解を得られるのであれば、より良いリニューアルのためには柔軟に修正していくべきこともあるのだと考えるようになりました」

インタビューの写真

丁寧に聞くことを大切に、プロジェクトを統括

1991年の入庁以来、文化振興課、国体アジア大会準備室、教育委員会や学校現場など様々な部署を経験し、知見を広げてきたE.Hさん。2020年に学芸課へ異動し、翌2021年から管理部門のグループリーダーに就任。リニューアルプロジェクトを統括することとなった。任命された際、浮かんだのは「荷が重い」という思いだった。
「プレッシャーが大きかったです。自分にできるのだろうかと。様々な業務は経験しましたが、このように大きなプロジェクトに関わったことがなかったし、基本計画を立てると言っても何から始めればいいか、まずはいろいろなことを調べるところからのスタートでした。具体的に何というより、漠然とした不安がありました」
全国から注目される、大和ミュージアムの施設と展示を総合的にリニューアルする大規模プロジェクト。それを取りまとめるという重大なミッションを受け、E.Hさんはとにかく「丁寧に聞くこと」を大切にした。「現場の意見を聞いて、でもすべてを受け入れるわけにはいかない場面もあるので、そこをいかに調整していくか」に心を砕き、積極的に専門家を頼った。その1人が、当時は営繕課のグループリーダーだったK.Aさんだった。
「経験も豊富で、すぐに答えをくれるので頼もしく、いろいろなことを相談していました」
小さなトラブルは日々起こるものの、大きな問題はなくすべての工程を終えることができたのは「みんなのおかげです」と感謝の言葉を口にするE.Hさん。中でも、K.Aさんの働きには大いに助けられたようだ。
「休館期間を短くすることが使命でした。でも、だからといって内容に手は抜けません。せっかくのリニューアル。みんなに喜んでもらえるものにしなければいけませんから、そこは保ちつつ、どうやったら工期を縮められるかが一番の課題だったんです。それを検討する際に、K.Aさんが専門家の知識のもと2、3の案を示して『どちらにされますか』と提案してくれたので、すごく助かりました。建築や設備について知識がない私にもわかりやすく、理路整然と説明してくれて、本当にK.Aさんがいてくれてよかったです」

Chapter 3

Chapter 3の写真

来館者だけでなく、誰もが大切に思う博物館

プロジェクトの担当課である学芸課に属する十数名のほか、建築指導課や営繕課、財政課、環境政策課、港湾漁港課……様々な部署が関わって計画を進めてきた。工事の発注先も幅広く、各分野の専門業者が力を発揮した。2週間に1度の全体会議には関係者が勢揃いし、学芸課からはE.Hさんを中心に5名が毎回出席した。
「リニューアル工事と一口に言っても、建築、設備、保守、展示といろいろあって、細かいことを言うとエスカレーターやエレベーター、空調、備品などもそれぞれ別なので、多くの人が関わる事業でした。大和ミュージアムだからと、手を挙げてくれた業者さんも多かったと思います。様々な立場の人が集まるので、お互いの意向が食い違うことも当然ありましたが、判断基準はただ一つ、大和ミュージアムに何が大事なのかという点。この博物館がどういう施設なのか、どうしたいのかということを考えたら、自ずと答えは出ました。直接工事に関わる人以外でも、造船に携わっている皆さんや商店街の方、自衛隊や海上保安庁の方も、皆さんがミュージアムを大切だと思ってくださっていて、ありがたいなと感じました」
技師として30余年の経験を持つK.Aさんも、当プロジェクトを通して他者との連携の大切さを改めて学んだという。建築技師は、個々の知識や経験に基づくスキルが求められる専門職。担当工事を滞りなく進め、完了させることが最優先事項ではあるが、「それだけではなく、チームメンバーの円滑なコミュニケーションと連携が不可欠だと痛感した」。
「技術部門でもコミュニケーションを取ったり、各自の失敗・成功を記録に残して共有したりはしていましたが、事業課としてプロジェクト事業を進めていくには、技術だけではなく、コストや工期など諸問題の調整が必要でした。それには、みんなで自然に声を掛け合って適宜情報を共有すること、安心できる職場作りをすることが非常に大事だと感じました」
現場と事務所を行き来する途中で、近隣住民や観光客と出会い、その姿や会話に励まされたこともあった。
「工事期間中は、買い物や散策で通りかかった市民の方々が足を止めて、自由通路から工事の様子を温かいまなざしで見守ってくれているのを何度も見かけました。また、休館中なのを知らずに名古屋から車で来られたご夫婦とお会いしたことがあるのですが、おそらく残念な気持ちだったはずなのに『リニューアルオープンはいつですか?また2人で来ます』と笑顔でおっしゃっていただきました。嬉しかったです」
人々の期待を肌で感じたことが、ミッション完遂へ向けたパワーの源になったとK.Aさんは振り返る。

Chapter 4

Chapter 4の写真

チーム全体でやり遂げた納得のリニューアル

当初の計画を修正して工期を倍の2年に延ばしたものの、それでも決して余裕のあるスケジュールとは言えなかった。各部門の専門家が集まるプロジェクトチームにおいて、K.Aさんも技師としての経験や知識、プライドを全て投じて役割を果たした。
「十分に調査して設計した上で工事発注しても、どうしても100%とはいきません。現場では日々いろいろな課題が生じますが、これまでの経験を生かして即応することはできたかなと自負しています。対応策の選択肢を1つ以上提示して、みんなで選んで決めるというやり方で、工期とコストの最適化を守ることができました。休館期間を極力短くするためギリギリの工期にしたので、不測の事態が起きると工事が間に合わないことになりかねず、緊張感がありました。一度変更させていただいて『この日までに』と約束をしたからには、そこは必ず守らなければいけません。ただ、その中でも品質を落とすことなく、当初目指したリニューアル以上の成果を出そうと、チーム全体で盛り上がっていたと思います」
プロ集団のチームワークで、大きなプロジェクトをやり切った。振り返れば様々なことがあったが、特に強く印象に残っていることがあるという。4年前のことだ。学芸課に配属されたばかりの頃、K.Aさんは観光関連の仕事をする知人から忘れられない一言をかけられた。
「もう計画が固まって大和ミュージアムのリニューアルプロジェクトは動き出しているのに、『リニューアル事業って必要ですか?』と聞かれたんです。ミュージアムの休館は観光へのダメージが大きいという不安と、来館者も多く盛り上がっているのだから今のままでいいのではないかという思いからの言葉でした。でも、こうしてリニューアルが終わって、その方も今は『やってよかった』と思ってくれているんじゃないかと思います」

インタビュー中の二人の写真

より多くの人が楽しめる施設へと魅力アップ

工事期間中は、休館対策も重要な柱の一つだった。呉観光の目玉である大和ミュージアムを見学できないことで観光客が減るのを防ぐこと、休館を知らずに来訪した人たちの落胆を少しでも軽減することが目的だ。その1つが、『大和ミュージアムサテライト』だった。パネルや複製資料、零式観測機の実物大模型、100万分の1戦艦大和などが展示され、ミュージアムショップも併設した。
「休館を知らせる広報にも力を入れたつもりですが、それでも知らずに来られて、貼り紙を見て『えっ、閉まっているの?』と戸惑っておられる方がたくさんいました。見かけたら声をかけて、サテライトやてつのくじら館、艦船めぐりなどをご案内してきましたが、ご案内できる場所の1つとしてサテライトがあって良かったなと思います。予想以上に好評で、10万人と見積もっていた来館者が20万人を超え、リニューアルオープン後も残して欲しいという声を受けて1年間の更新が決まりました」
大和ミュージアムの人気ぶりが伺えるエピソードである。ミュージアムの海側には、水上偵察機『瑞雲』の実寸大模型も展示し、サテライト展示と合わせて休館中の“大和ロス”解消に一役買ってきた。そんな中、工事開始から2年、全面休館から1年2ヶ月を経て、多くの人々が待ち焦がれた大和ミュージアムが帰ってきた。
待望のリニューアルオープンに「たくさんの人たちと作り上げてきたこのプロジェクトが予定通りに完了して、ホッとしました」とE.Hさんは笑顔をのぞかせる。
「友人など身近な人たちをはじめ、関わりのある業者さんたちもオープンしたら見に来たいとずっと言ってくれていましたし、サテライトの来館者アンケートでもミュージアムの再開を楽しみにしているという言葉をたくさんいただきました。市民の皆さんはもちろん、全国の大和ミュージアムファンの方々が期待してくださっている声を聞いて、このプロジェクトに携われて良かったなと改めて感じました。長くお待たせしてしまいましたが、よりたくさんの方に楽しんでいただける施設に魅力アップできたと思います」

Chapter 5

Chapter 5の写真

100年大切に愛される博物館への新たな一歩

施設、設備が改良されたのはもちろん、展示も大幅にパワーアップした。より多くの資料が公開され、展示ケースの形状も変わって、より近くで資料を見られるようになった。手で触れられる実物資料が15点に増えるなど体験装置も充実。「さらに魅力的な博物館になった」とE.Hさんは胸を張る。
「内容も、見せ方も変わります。でも、歴史そのものは変わりません。事実をそのまま、わかりやすく伝えるのが博物館だと思っています。観光客だけでなく呉市民も喜んでくれて、市民の方が自慢したくなる大和ミュージアムでありたいし、そういうリニューアルになったと思います。新しい資料の寄贈の申込も続いており、まだまだ見てほしいものがたくさんあるので、これでゴールではなく今後も更に魅力的な博物館を目指していきたいと思います」
このプロジェクトの意義を「次世代へつなぐこと」だというK.Aさん。
「大和ミュージアムは100年大切に愛され続ける博物館を目指して建設されたと聞いています。その最初のリニューアル工事を無事に終わらせられたという達成感はもちろんありますが、次の世代にバトンを渡せるという安堵感の方が勝る気がします。100年ずっと愛されるためには、今回のような大規模リニューアルだけでなく、継続的に改善していくことが大切です。その時、私がどの部署にいるかわかりませんが、何らかの形で携われたらいいなと思います」
戦後60年の節目に誕生した大和ミュージアム。想定を超える多くの人々に愛されて、20年が過ぎた。100年続いていくと考えれば、まだその歴史は始まったばかりだ。装いを新たにした呉市のシンボルは、一旦下ろした錨を再び上げ、多くの人たちと関わりながら、新たな時代へと進んでいく。

プロジェクト担当部署の職種を一部ご紹介

海事歴史科学館学芸課学芸グループの写真

学芸員​(平成29年度入庁)

海事歴史科学館学芸課学芸グループ

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営繕課・営繕第2グループの写真

建築技術​(令和5年度入庁)

営繕課・営繕第2グループ

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