令和2年度予算総体説明(抜粋)
(略)
以上,呉市の令和2年度予算の概要につきまして御説明いたしましたが,最後に,令和2年度予算における最重点事業につきまして,繰り返しの部分もございますが,私の想いを御説明いたします。
令和2年度におきまして,最優先で取り組む施策は,「豪雨災害からの着実で力強い復興」でございます。
災害公営住宅の整備を進めるとともに,生活支援・見守り・心のケアといったソフト対策などにつきまして,引き続き,切れ目のないきめ細かな被災者に寄り添った支援を実施してまいります。また,復興計画における復旧期の最終年度として,道路・河川・農地などの災害復旧事業を着実に実施してまいります。さらに,甚大な被害を受けました天応・安浦地区につきましては,地区計画に掲載した事業を始めとする本格的な復興に向けた取組を一層推進してまいります。
次に,女性や若者や高齢者も「誰もが住み続けたい,訪れてみたい魅力的なまち『くれ』の実現に向けた取組」でございます。
呉駅周辺地域は,誰もが活躍できる地域社会の基礎となるものであり,呉市全体のコンパクトシティとネットワークを形成する核となるものです。鉄道・バスなどの総合交通拠点の整備を推進するため,そごう呉店跡地・駅前広場の再整備等の事業計画策定に着手してまいります。また,呉駅周辺を起点としたスマートシティの実現に向けて,次世代モビリティ導入時の道路交通へ及ぼす影響の調査・検証や,MaaS導入に向けた環境整備に取り組んでまいります。さらに,アーバンデザインセンターの設立に向けた準備を進めてまいります。アーバンデザインセンターにより,公・民・学によるまちづくりの取組を全市域に拡大させてまいります。
次に,青山クラブ・桜松館の歴史的特性を活かした活用方法の検討を行います。また,民間の方々の創意工夫を活かして,復興キャラ祭の開催に取り組みます。
安芸灘地域については,地域に居住する子育て世帯の経済的負担等を軽減するため,安芸灘大橋有料道路の回数通行券購入に対する助成を開始します。
また,安芸灘諸島や倉橋島等では,光通信回線の整備を行うことにより,住民のインターネットの利用環境の改善や,移住・定住の促進,スマート農業の導入,サテライトオフィスなど企業進出が可能となる環境の構築を図ります。
子育て世代に対する支援については,広地区の病児保育施設におけるお迎えサービスの開始など,保育メニューの充実を図ります。また,潜在的待機児童の解消に向けて,保育士の処遇改善や負担軽減など保育士の人材確保等に取り組みます。さらに,子育て世代の利便性の向上を図るため,子育て支援手続のWeb申請化に向けた手続ガイドの導入など,子育て支援の充実を図ります。また,豊小学校区内での放課後児童会新設など,子どもの居場所づくりを進めてまいります。
次に,創業支援については,ビジネスプランコンテストで選定された方に対して,クラウドファンディング型ふるさと納税を活用した支援を行います。また,女性の創業を支援するセミナーや創業カフェを開催するなど,新たなチャレンジを積極的に支援してまいります。
さらに,本市が先進的に取り組んでおります「目指せ!健康寿命日本一プロジェクト」については,国民健康保険の重症化予防に加えて,新たに,後期高齢者を対象にレセプトデータ等を活用した健康課題の分析,戸別訪問等による重症化予防や通いの場を活用した健康相談等を実施するなど,更なる取組を推進してまいります。
令和2年度は,平成30年7月豪雨災害の発生から3年目を迎えます。
被災者の方々が住み慣れた生活圏で安心した生活を取り戻すためには,被災したインフラなどの復旧に加えて,呉市をこれまでよりも災害に強い,そして,魅力的なまちになるよう,復興の取組を進めていく必要があります。
また同時に,第4次呉市長期総合計画の最終年度でもあり,次期総合計画を見据えた新たな施策にも取り組んでいく必要があります。
厳しい財政状況の中ではありますが,日鉄日新製鋼(株)呉製鉄所の休止についての発表など社会状況の大きな変化への対応や,本市の将来を見据えた上で真に必要な施策は,機を逃さず積極的に取り組んでまいる所存でございます。また,そのための財源確保に向けまして,議員の皆様のお力添えもいただきながら,国・県等へ強く要望してまいります。
議会の皆様方,市民の皆様方に力強い御理解と御協力をお願い申し上げまして,令和2年度予算の総体説明を終わります。
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