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呉市立図書館 「読書感想文」

第12回ブックリスト読書感想文 入賞者

 呉市立図書館が作成したブックリストの推薦本を対象とした読書感想文募集に324名の応募がありました。
たくさんの御応募ありがとうございました。
 その中から選ばれました入賞者12名を紹介します。おめでとうございます。

小学生の部

  最優秀賞    広     南      小学校    4年  折 出  愛​

  優秀賞     広          小学校    6年  田 村  恵 理
  佳作          和   庄        小学校    1年  宮 下  侑 吾
          和   庄    小学校    2年  兵 藤  文 哉
          阿   賀    小学校    5年  大 塚  緋奈乃
          広        小学校    6年  藤 井  咲 希
  

中学生の部

  最優秀賞   安    浦    中学校    1年  小 林  虎ノ介 
  

  優秀賞    呉   青  山    中学校    1年  海 生  玲 圭
  佳作      広   南    中学校    1年  竹 内  優 姫
          広 中 央    中学校    1年  白 石  花 奈
          白   岳    中学校    3年  栗 栖  愛 実
          天 応 学 園                         9年  はふじ 田  珠 里

表彰式 全体

最優秀賞を受賞されました2名の感想文を紹介します。

 

 

小学生の部「ライブラリー・ツインズ」 広南小学校 4年  折出 愛             

朗読 小学生

 私が大好きな場所、それは図書館。静かで広々とした空間に、数え切れないほどの蔵書が並んでいる。そこに行けば、どんな気持ちにも寄り添ってくれる一冊に必ず出会える。この物語の舞台は大学図書館。公共図書館や、学校の図書室とは違う魅力あふれる場所に、胸が高鳴った。

 月島大学附属中学に通う中学三年生の双子、菜織と健史。成績がふるわない菜織は、内部進学の救済措置として夏休みにボランティア活動をすることになり、健史もお目付け役として参加する。ボランティア先は月島大学図書館。ホームカミングデイで、特別展示される三大美書に関する企画展示の制作を手伝うことになった。

 主人公の菜織は、自分の進学に対する不安でいっぱいだったが、ボランティアに参加して、「自分の役割を果たしたい」という使命感を持つようになった。さらに、「人に喜んでもらえるようなアイディアを出したい」と積極的に企画を考えるようになった。いつの間にか、自分の内部進学のことよりも、人を喜ばせるために努力したいという想いにあふれていたのだ。

 この物語を読んで、自分のためではなく、人のために行動することの大切さ、そして、一冊の本が、当たり前に目の前にあるわけではないと学んだ。手製本の細やかな作業、活版印刷の難しさや奥深さを味わうと、一ページを、大切にめくりたくなる。だから私が図書館で借りた本は、長い歴史を経て、多くの人々の努力と、あたたかい想いがつながり、出会うことができた奇跡だと気付かされた。この素晴らしい出会いに感謝し、姿勢を正して、これからも本を読み続けていきたい。明日も図書館で、新しい本に出会いたい。       

中学生の部 最優秀賞 「リメイク!」 安浦中学校 1年  小林 虎ノ介

 朗読 中学生

 リーダーってやりがいはあるが大変なイメージがある。この本は、いやいやクラブ長をおしつけられた手芸クラブの由希が、バザーを成功させるために奮とうし、自分自身が成長している物語だ。

 由希はなりたくてクラブ長になったわけではないが、自分はしっかり者だからと、「ビシッとみんなに言うことを聞かせられるクラブ長になろう。」と決意し、役を引き受ける。

 この本では、いろんな決めつけや思いこみの表現が出てくる。しっかり者がクラブ長になる、手芸クラブは女子力が高い、手芸クラブに入部した男の子は変わっているなどだ。

 ぼくは今、クラスの代表委員をしている。話し合いの中で、話を聞かずふざける人がいたり、反対意見が出たりすると、なかなかうまく進行できず、イライラすることも多い。由希のように(クラブ長ってめんどくさい。)と思うことに、正直とても共感できた。しかし由希の(わたしもほかの人のことを無意識のうちにたくさん決めつけていたんだなあ)という言葉でハッとした。

 ぼくもほかの人の意見を普段からあまり気にしないほうだ。自分が(これが正しい)と思ったことだと、周りの意見を聞かず、思いこみで行動してしまうことがよくあることに気づかされた。由希も初めはぼくと同じような考えだったが、バザーを成功させるために行動していくうちに、自分の意見をおしつけるのではなく、みんなの意見を聞いて、みんなですることを決めていこうという考えに変わっていた。由希の心の変化にふれ、ぼくも(今まで偏見でものを見たり、決めつけたりしていたことが多かったな)とあらためて気づかされた。

 それからのぼくは、みんなの話を聞いて、一緒に悩み考えるようになった。大変だけど、成功したときは、みんなで喜びを分かち合うことができ、充実感が何倍にもなる気がした。

 残念ながら、ぼくたちが生きているこの世界でも、さまざまな偏見で差別を受けている人がたくさんいるように思う。男女差別の問題や、障害があるから行動制限をかけられること、外見で人を判断してしまうことなど、挙げればきりがない。そして、何か新しいことを始めようとする人は、変な人だとか、できるわけがないと誹ぼう中傷の的にされてしまうこともよくある。新たな一歩をふみ出そうとする人は、自分の考えをきちんと持ち、変化をおそれず行動できる勇気ある人だと思い、ぼくは心から尊敬したい。

 ぼくがこれから作りあげていく未来の世界は、偏見や差別が少しでも減り、個性が尊重される世の中に なってほしい。まずはぼく自身、決めつけや偏見はよくないよと声を上げることができる人になりたい。