鉛製の水道管取替えのおすすめ
鉛製の水道管使用の背景
昭和50年代半ばまで,全国の水道事業体で,水道管として鉛製のもの(以下「鉛管」という。)が使用されてきました。
その理由は,当時使用されていた鋳鉄管や鋼管に比べて,鉛管は安価で,加工がしやすく,管内に錆が発生しにくいという特徴を持つためでした。
その反面,鉛管は衝撃に弱く,漏水を起こしやすいことから,新たに開発された塩化ビニール管やポリエチレン管の普及に伴い,次第に使用されなくなりました。
鉛は蓄積性がある毒物で,人体への摂取は80%以上が大気や食物からなので,水道水からの影響は少ないと言われていますが,鉛管から微量の鉛が溶出されることがあるので,できるだけ摂取の低減化を図る必要があります。
国等の対策
国内では平成15年4月1日から,鉛の水質基準がそれまでの0.05mg/Lから0.01mg/Lに強化されました。これは世界保健機関(WHO)が定めた国際的な基準に準拠したものになっており「生涯にわたって毎日飲み続けても人の健康には問題のないもの」として国が定めた値です。これに併せて厚生労働省は全国の水道事業体に対し,水道水の鉛低減策等についていろいろな指導を行うことになりました。
呉市の状況
呉市も昭和41年までは,小さな口径の配水管やご家庭のメータ回り,鋼管の布設の難しい場所に鉛管を使用してきました。
このうち上下水道局所有の鉛製配水管については,他の種類の管に取り替えました。
しかし,昭和41年以前に布設したお客様所有の給水装置は,素材に鉛が使用されている可能性があります。
給水装置というのは,上下水道局の配水管から分かれて各使用者のじゃ口に達するまでの水道管とその水道管に付属するメータを除くすべての給水用具を指しており,お客様(所有者)の財産です。管理責任もお客様(所有者),つまり市民の皆さま個人ということになります。
従って,給水装置の中に使われている鉛管の取替費用は,個人で負担していただかなければなりません。
取り替えるまでの対応は
鉛管が使用されている場合でも, 通常の使用状態では国の定めた水質基準に適合しており,問題はありません。ただし,朝一番に使用される場合や,長時間使用されなかった場合,微量ではありますが一時的に水道水中の鉛濃度が高くなることも考えられますので,最初使い始めのバケツ1~2杯(約10リットル)程度の水を,洗濯や掃除など(飲み水や炊事以外)の用途に使用していただければ,より安心してご利用できます。
鉛製給水管を取り替えるには
さらに安全に水道水をご利用いただくために,家屋の建替えや増改築の工事を行う際には,鉛管の取替工事をしていただくことをおすすめします(給水装置はお客様(所有者)の財産ですので,取替費用は個人負担になります。なお,工事は呉市指定給水装置工事事業者にお申し込みください。)。
また,鉛管を使用されているご家庭で,水質検査を希望される場合は,無料で行っていますので,浄水課施設管理グループ(Tel:0823-26-1645)にお問い合わせください。
鉛製給水管についてのお問い合わせ
ご自宅等の給水装置に鉛管が使われているかどうか等ご不明な点は,営業課給排水設備グループまでお問い合わせください。こちらでしゅん工当時の図面を確認し,鉛管のご使用が判明する場合があります。ただし,既に取り替えられている場合等も考えられますので,まずはご相談ください。