呉市では,市民の利便性の向上と市役所の業務の効率化を図ることを目的に,業務プロセスを可視化して非効率な部分を洗い出し,具体的な業務プロセスの見直しを行うBPR(業務改革)※1について,令和6年度から2年間,民間事業者のノウハウを活用し,伴走型の支援を受けながら,全庁的な取組を進めています。
参考:令和6年度庁内業務のBPR(業務改革)取組状況等について
※1 BPR:Business Process Re-engineering(業務改革)の略。業務のプロセス全体について,詳細に分析・評価・改善を行うことを通じて,利便性向上と抜本的な業務効率化の双方を実現する手法
| 実施プロセス | 取組内容 |
|---|---|
| (1)現行の庁内業務調査 |
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| (2)現行業務フローの作成・見直し(改善手法の検討) |
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| (3)見直し(改善)の実施 |
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| (4)モニタリング |
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※2 ローコードツール:プログラムコードをほとんど記述することなく,アプリケーションやシステムの開発を可能にするツール
※3 RPA: Robotic Process Automationの略。人が行う定型的なパソコン操作をソフトウェアのロボットが代替して自動化する技術
※4 AI-OCR:Artificial Intelligence Optical Character Readerの略。AI(人工知能)技術を用いて,スキャンした文書からテキストを自動で認識・抽出する技術

改善策の検討においては,単にデジタルツールを導入するだけでなく,各業務において,非効率な作業,事務処理ミスの原因となり得る手順などを抜本的に見直し,事務の最適化を図ることで,より質の高い市民サービスを提供することを念頭において検討しました。これにより,作業が標準化され,事務処理ミスの防止や業務引継ぎの効率化を見込んでいます。

改善策の試行導入として,人事課の「会計年度任用職員の採用プロセスにおける内申書提出及び管理業務」等の4業務において,RPAによる自動化や作業手順の変更をしたところ,令和7年度末までに年間業務時間を約1,430時間削減できる見込みであるほか,自動化による人的ミスの減少や職員の心理的負担の低減につながっています。
また,試行において改善効果の見られたRPAによる自動化に加え,AI-OCRを活用することで,見直し対象業務以外の障害福祉課の「自立支援手帳の情報をシステムに入力する業務」等の3業務において,年間約360時間の業務時間の削減につながっています。
上記の内容も踏まえ,令和6~7年度に優先的にBPRに取り組んでいる見直し対象業務の42業務のうち,現時点で改善策を策定した37業務について,「現行の業務時間」と「改善後の業務時間」とを比較した結果,「実現可能な改善策」を実施した場合は,現行の業務時間が年間約5万時間(約23パーセント)の削減が見込まれ,「あるべき姿」の改善策を実施した場合は,年間約10万時間(約45パーセント)の削減が見込まれます。

伴走型支援によりBPRを実施している業務の改善策に引き続き取り組むとともに,この取組により効果の見られた好事例の取組の庁内への横展開や,業務改善につながる積極的なAIの活用など,年間10~20業務のBPRに取り組み,全庁的なBPRを効率的に推進します。
職員自らがBPRに取り組むための環境を整備するため,RPAやAI-OCRなどの導入費用に加え,新たに効率的に業務フローを作成する業務フロー作成ツールや業務改善につながるAIを活用したデジタルツールの導入に係る経費について,令和8年度当初予算に計上しています。
なお,作成した業務フローについては,人事異動の際の引継資料としても活用することで,ノウハウの属人化を防ぎ,事務処理ミスの防止につなげます。
また,改善策を実施した事例を庁内に共有することで,今後各職員が具体的な進め方を把握し,業務改善を推進できる環境を更に整備します。
BPRの中心的役割を担う行政改革デジタル推進第1課・第2課の職員のスキル向上研修を実施し,BPRを推進する人材を育成します。また,行政改革デジタル推進第1課・第2課の職員がRPA,ローコードツールなどのデジタルツールに関する職員向け研修を行い,職員自らが業務改善に取り組むためのデジタルスキルの向上を図ります。
