市民の皆様に,新年度のスタートにあたり御挨拶を申し上げます。
保護者,地域の方々,市民の皆様には,次代を担う呉市の子どもたちの育成のため,教育活動への御理解,御協力を賜り,厚くお礼を申し上げます。
呉の学校教育の目標である「未来を創る人材の育成」の具現化に向け,これまで本市が進めてきた小中一貫教育の取組を基盤としながら,新しい時代に必要な資質・能力を育成する教育活動を展開することで,子どもたち一人一人のウェルビーイングを目指したいと考えています。そこで令和7年度は,引き続き次の三点を重点施策として取り組んでまいります。
〇 防災教育の深化
〇 授業改善の推進
〇 個を大切にした支援の充実
この3点に共通して,タブレット等のICT機器の効果的な活用により,個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図り,子どもたちの主体的な学びの実現に向け,引き続き取り組んでまいります。
そして,継続して取り組む課題として,多様性の尊重,いじめ,不登校,暴力行為等生徒指導に関する問題,命を大切にする教育をしっかりと進めていきたいと考えています。
今年の10月2日,3日には,ここ呉市で「第20回小中一貫教育全国サミット」を開催します。全国に先駆けて全市で取り組んできた,呉市の小中一貫教育を全国に発信します。
また,今年度からは,全ての呉市立学校にコミュニティ・スクールを導入します。私は,これまでも「学校は地域あっての学校」と述べてきました。学校・家庭・地域が協働して学校運営に取り組むことによって,子どもたちにとって安全・安心で信頼される学校づくりの実現を目指します。
そして,安全・安心で信頼される学校であり続けるためには,教職員の不祥事の根絶は欠かせません。引き続き不祥事の根絶に取り組むとともに,教職員の働き方改革を推進し,モチベーションの向上や,子どもたちと向き合う時間が確保できるよう取り組んでまいります。
さらに,児童生徒の誰もが,自身と異なる価値観や境遇を持つ他者を理解し,尊厳と多様な価値観や生き方を尊重できるよう,昨年度から男女混合名簿を導入したり,引き続き,生徒指導規程(校則)の見直しや改訂を行ったりするなど,ジェンダー平等社会及び人権尊重社会の実現に向け,取組を加速していきます。
とりわけ,いじめの問題については,子どもたち一人一人がかけがえのない存在であることを心に据え,目の前にいる子どもたち一人一人の違いを尊重することができる教職員であることが大切です。子どもたち一人一人の思いに寄り添って,いじめを見抜く目を持つとともに,何でも相談できるような信頼関係を構築し,子どもたち一人一人を大切にします。
次に,学校施設の整備については,児童生徒が一日の大半を過ごす学校の安全性を確保するため,引き続き積極的に取り組んでまいります。学校の耐震化が,令和6年度末に完了し,その他老朽化が進んでいる学校施設の長寿命化について計画的に進めているところです。
また,環境整備についても,令和6年度中に,授業を行う全ての特別教室へのエアコン設置を完了し,トイレの洋式化を令和7年度末91.4%を目処に進めています。
さらに,体育館の空調整備については,令和7年度に5校(昭和中央小,広中央中,片山中,安浦中,天応学園)の実施設計を行い,その後も計画的に整備を進めてまいります。
また,学校給食については,令和7年度から,全ての中学校において,温かい給食の提供を行うとともに,引き続き食材高騰対策として給食費の補充を行うことで,保護者負担を求めることなく給食内容の維持に努めています。
今年度も,「未来を創る人材」である子どもたちの無限の力の育成を目指し,20年後,30年後の新しい時代を見据えた学びの充実・発展に取り組んでまいります。
今後とも,本市教育の推進に,御理解と御支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
呉市教育委員会教育長 寺本 有伸