令和6年度決算状況についてお知らせします。
上下水道事業の令和6年度決算について、次のとおりお知らせします。
令和6年度 決算状況


令和6年度の決算は、令和6年4月に実施させていただいた料金改定の効果により、上下水道料金収入が増加したことに加え、経費削減や効率的な施設運営に取り組んだ結果、水道事業・下水道事業ともに前年度を上回る事業収益となり、水道事業では2億3千4百万円、下水道事業では1億9千9百万円の純利益を確保することができました。
※詳しい決算の内容についてはこちら
令和6年度 取り組み状況
上下水道局では、呉市上下水道事業の経営計画である「呉市上下水道ビジョン2024~2033」に基づいて事業を運営しています。
上下水道ビジョンは、基本理念「次世代につなぐ 信頼ある上下水道 ~呉のみずを守り抜く~」の実現に向けて、3つの基本方針、8つの基本政策と26の具体的施策で構成しています。この中でも緊急性が高く、優先順位が高いと判断した取り組みを『重点施策』として位置づけ、積極的に取り組んでいます。
令和6年度に実施した主な事業は次のとおりです。
※【重点】は『重点施策』として上下水道ビジョンに定めた事業を表しています。
※金額は税込
1 安全で安定した水循環づくり
(1) 【重点】水源系統の最適化
【水道】2,011万円
・戸坂取水場取水施設撤去設計業務 【水道】1,793万円
水源系統の最適化を図るため、広島市内にある呉市の水道施設「戸坂取水場」を令和5年度末で廃止しました。令和6年度は廃止に伴う施設撤去のための設計業務を実施しました。
このように、水源系統を最適化することで施設の維持管理費用の縮減など、経費削減に取り組んでいます。

(2) 【重点】水道施設運用の最適化(施設の統合・ダウンサイジング・廃止)
【水道】5,280万円
・配水池築造・ポンプ所建設実施設計業務 【水道】3,702万円
(戸田加圧ポンプ所、吉浦高区ポンプ所)
水道施設の再編を行うため、ポンプ所建設の設計業務を実施しました。施設の統廃合や、管路の口径縮小などのダウンサイジングを行うことで、更新費用や維持管理費用の削減を図ります。
(3) 【重点】水道施設の改築・更新及び耐震化の推進
【水道】11億9,797万円
・宮原浄水場薬品注入設備工事(機械・電気) 【水道】9億981万円
宮原浄水場の薬品注入設備を更新しました。薬品注入設備は、安全な水質を確保するためにポリ塩化アルミニウムや次亜塩素酸ナトリウムなどの薬品を注入するための設備で、浄水過程で重要な設備です。

・久比沖友ポンプ所電気設備その他工事 【水道】1億357万円
・宮原浄水場発電機棟建設工事(建築・電気) 【水道】1億221万円
呉市唯一の浄水場である宮原浄水場の停電対策として、発電機を設置するための建物を建設しました。停電時にも浄水施設の稼働に不可欠な電力を確保するため、令和7年度の完成を目指し、引き続き発電機の設置を進めます。
(4) 【重点】管路の更新及び耐震化の推進
【水道】13億9,514万円
・配水管の更新 【水道】8億8,908万円
老朽化した配水管の更新については、管路更新計画に基づき、ダウンサイジングや管路の統合を実施することで事業費の削減を図りながら、耐震性の高い管種への更新工事を実施しています。令和6年度は、12,659.4mの配水管を更新しました。
これにより、令和5年度と比較して、管路耐震化率が上昇しました。


(5) 【重点】管きょの改築・更新及び耐震化の推進
【下水】3億3,818万円
・下水道管きょの改築・更新 【下水】3億2,474万円
下水道管きょの更新については、ストックマネジメント計画に基づき、昭和30年代から40年代に整備した中央地区の合流幹線や大口径管きょ等を対象に、計画的な更新を実施しています。令和6年度は444mの管きょの改築・更新を行いました。
この結果、令和5年度と比較して、管きょ耐震化率が上昇しました。


(6) 【重点】下水道施設の改築・更新及び耐震化の推進(施設の統合・ダウンサイジング・廃止)
【下水】17億8,835万円
・新宮浄化センターの設備更新 【下水】7億9,921万円
・広浄化センターの設備更新 【下水】7億4,800万円
老朽化が進行していた新宮浄化センター・広浄化センターの監視制御設備を更新しました。この設備は、浄化センター内の施設の運転状況を集中的に監視・制御できるシステムです。
今回の更新により、維持管理業務の効率化が図られるとともに、より安全で安心な施設の運転管理を実現することができました。

(7) 下水道未普及地区の整備促進
【下水】5億3,305万円
・地域に適した方法による未普及地区の整備 【下水】5億3,305万円
下水道の未普及地区の解消を図るため、3,404.4mの下水道管きょの整備を行いました。
2 災害に強い上下水道づくり
(1) 【重点】上下水道施設の強靱化の推進
【水道・下水】47億7,244万円
巨大地震などの自然災害に備え、上下水道施設の改築・更新を行うことで、施設の耐震化と強靱化を進めています。
・処理場・ポンプ場の強靱化 【下水】17億8,835万円
・管路の耐震化 【水道】13億9,514万円
・浄水場の強靭化 【水道】10億1,202万円
・管きょの耐震化 【下水】3億3,818万円
・配水池等の強靱化 【水道】2億3,875万円
(重複分を含む。)

(2) 【重点】浸水対策(雨水整備)の推進
【下水】615万円
・広雨水1号幹線の整備 【下水】289万円
安全で安心して生活できるまちづくりを目指し、JR広駅を中心とした広東地区において、大雨による浸水被害の発生頻度の低減や被害の軽減を図るため、雨水の排水処理施設を整備しました。
3 効率的で持続可能な上下水道づくり
(1) 【重点】効率的な事業の推進
【水道】△1億3,671万円
・戸坂取水場の廃止による効果額 【水道】1億3,671万円
令和5年度末で戸坂取水場を廃止したことにより、一時的に撤去費用は発生しますが、取水場の維持管理費用や取水場から呉まで送水するための施設使用料が不要となり、前年度と比べて年間約1億3,000万円の経費を削減することができました。
(2) 【重点】ICTを活用した業務の効率化
【水道】942万円
・AI技術を活用した漏水調査業務 【水道】942万円
上下水道局では、経営の効率化やお客様の利便性向上に向けて、AIやIoTの活用など、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けた調査・研究に取り組んでいます。
令和6年度は、その一環として、人工衛星とAI技術を活用した水道管の漏水調査業務を実施しました。
(3) 【重点】お客様とのコミュニケーションの推進
【水道・下水】230万円
・子ども水道教室などの開催 【水道・下水】168万円
上下水道施設見学会や子ども水道教室などお客様と直接コミュニケーションができる市民参加型イベントを開催し、上下水道事業の内容や水循環の仕組みについて説明しました。




経営状況


近年、人口減少や節水意識の高まりにより、料金収入は減少しています。一方で、老朽施設の改築や更新、施設の耐震化にかかる費用は増加し、厳しい経営状況が続いています。
令和2年度から令和5年度にかけては、水道事業・下水道事業の純利益は減少傾向にありましたが、令和6年4月に実施させていただいた料金改定により、令和6年度は前年度を上回る純利益を計上しました。
料金改定により、一時的な収益改善は見られたものの、今後も料金収入の減少に加え、施設の更新費用や耐震化費用、災害対策にかかる費用の増加など厳しい経営状況が続くことが予測されます。
しかしながら、将来にわたり呉市の上下水道事業を安定的かつ持続的に運営し、次世代につないでいかなければなりません。
引き続き、「呉市上下水道ビジョン2024~2033」の基本理念「次世代につなぐ 信頼ある上下水道 ~呉のみずを守り抜く~」の実現に向けて、安全で安心な上下水道サービスを安定的に提供できるよう全力を尽くします。
業務指標


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>> 予算・決算
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