呉港は、瀬戸内海のほぼ中央部、広島湾の東側入口、西芸予諸島の北部に位置しています。 また、瀬戸内海の主要航路に近接し、内航定期航路をはじめ、付近島しょ部と密接に結びついています。 呉港に隣接して西部に特定重要港湾広島港が、東部に重要港湾尾道糸崎港がそれぞれ17km、 69kmの位置にあります。
呉港は,古くから天然の良港として栄えてきました。明治19年(1886年)に第二海軍区軍港に指定され、 明治22年(1889年)呉鎮守府の開庁とともに、本格的な海軍軍事基地の建設が進められました。 その後、累次の基地拡張と人口の急増によって第二次世界大戦中は人口40万人と日本一の海軍工廠を擁する都市として発展しました。
昭和20年(1945年)の敗戦で、軍事基地としての都市基盤を失った上に、中心市街地が戦災で廃墟と化し、 広大な旧軍用地や市街地の多くを駐留軍に接収されたため、人口も一時15万人に激減しました。
こうした中で、昭和25年(1950年)に「旧軍港市転換法」が制定され、 旧軍施設への積極的な企業誘致が行われ、造船、鉄鋼、機械金属、パルプ等の企業が相次いで進出し、 臨海工業地帯としての基盤を確立しました。
呉港は昭和26年(1951年)に重要港湾になり、昭和27年(1952年)には 呉市が港湾管理者となって港を自主的に運営しています。
※高度技術回廊(テクノコリドール)・・・高等教育機関、研究開発機関、高度な技術を有する企業が集積する呉東(広)地区から東広島まで至るベルト地帯