耐震改修や補強計画においては施主さんの経済的不安や工事中のストレスを解消することが重要となります。単に,耐力壁を増やすだけでなく,住宅の使用勝手等もよく説明し,理解をしてもらっておくことが大事となります。
「木造住宅の耐震診断と補強方法」(改訂版)((財)日本建築防災協会)(以下青本という)の一般診断法において上部構造評点を1.0以上~1月5日未満にした場合は「一応倒壊しない」という判断になります。ここでの「地震」は,まれに起こる地震(震度6強ないし震度7程度 横揺れの最大加速度300~400ガル)を想定していますが,さまざまな不確定要素が含まれるため,精密診断法を用いて診断するのが望ましいといえます。
これに基づいての補強工事は,建物に被害が出たとしても,倒壊することによって「人命」が失われることが無いような耐震性能を確保しようとするものです。また家具の固定等も「人命」を守ることにおいて重要ですので,建物の補強時に検討することも大事です。評点は大きいほど「人命」に対する安全性は高くなりますが,工事費との関係もあるので住民と十分に話し合いの上で,目標とする評点レベルを設定することが大切です。
高倍率の耐力壁にすると引き抜き力が大きくなりHD金物が必要になりますが補強工事では設置が困難となります。告示(い)~(ほ)に該当する金物が補強できるような壁倍率で計画することが望ましいといえます。(壁倍率4.0が目安か?)
なお,HD金物が必要となる場合は,鉄筋コンクリート造の基礎が必要となりますので,無筋コンクリート造の場合は鉄筋コンクリート基礎を補強してください。
規定倍率を採用すれば当然横架材間に張る必要があります。青本P28~P56において非耐力壁仕様は床上~天井面を想定しています。
別紙.基準耐力表を参照して下さい。(なお,呉市でしか認めていない壁強さ倍率もありますので注意してください。
告示ではN50釘しか認めていませんが,現場状況でビス使用が止むを得ない場合はN50釘と同等以上の強度が求められます。選定の目安としては一例としてビスの長さ及び軸部径がN50釘のサイズと同等以上にするとかビスの強度表を参考にすることが考えられます。又,ビスのピッチを規定より細かくすることも対応策かと思います。
そのとおりです。但し,工事過程にて筋かいの有無の変更も考えられますので,Q10も参考にしてください。
筋かい検出器:33万円 鉄筋検出器:20万円
取り扱いメーカー-:(株)京三製作所機器事業部 Tel(03)3214-8161
また,安価な鉄筋検出器:14700円(BOSCH DMF10ZOOM)もあります(いずれも参考価格です)
異種構造となるので評点に反映されることの妥当性について説明できる必要があります。このような場合は木製の開口フレーム((財)日本建築防災協会)の評価品)等で補強すると補助の対象となります。
現状に即して再度補強計画を検討して下さい。変更手続きについて呉市へ相談して下さい。
未定です。
診断及び補強工事は(財)日本建築防災協会発行「改訂版 木造住宅の耐震精密診断と補強方法」に準拠した内容となっています。設計者及び施工者が倒壊しないことを保証するものではありませんので責任は発生しません。あくまで,人命の安全を担保することを目的にしているものです。但し,住民にははっきりと説明し,理解を得た上で業務や工事契約をすることが大切です。
(例えば)現場に使い捨てのカメラを置いておき,大工さんに撮影してもらうといいでしょう。但し,このようなこともありえるということを工事着手前に住民によく説明をし,理解していただく事が大切です。
新診断法は,筋かいの金物の有無によって壁強さ倍率が違っています。柱・横架材・筋かいの接合部には金物の補強を考えて補強設計して下さい。
建物が外周部すべてにわたり鉄筋コンクリートにて補強した場合は,上がります。また耐力壁下部の部分補強の場合は,その部分の評価が上がります。(耐震診断ソフトwee(一般診断・計算モード・補強計算)参照)
2棟とも補助対象になりますが,補助額は1敷地につき30万円が上限となります。
木造軸組工法で居住のためのに継続して利用する建物を言います。
建物所有者が自己居住のために専用住宅,併用住宅に継続して利用する建物であれば対象となります。
既存不適格建築物となる場合でも補助金は受けられます。
しかし,工事着手前から違反建築物となっているものについては,適用外です。
補強工事が完了していないと補助金は受けられません。
呉市木造住宅耐震改修設計士制度により,登録制度がありますので,その中から建築士を選択して下さい。
よって,木造住宅耐震改修補助制度を活用する場合は,補強計画を策定する段階で要件に合った建築士事務所を選択する必要があります。
補強個所または補強方法を変更したことで補強後の総合評点が変わりますので,補強後の上部構造評点を再度求め,1.0以上であることを確認して下さい。
補助金申請については,変更内容によっては,事前に呉市に変更申請が必要となりますので,不明な点がある場合は,建築指導課に問い合わせて下さい。
基本的には国土交通大臣認定・(財)日本建築センターの評価や,(財)日本建築防災協会の評価を受けたものが補助の対象となる工法です。