呉市公共施設への太陽光発電設備導入に係るサウンディング型市場調査結果
公共施設への太陽光発電設備の導入手法を検討するため,市民センターや小学校,中学校などの施設(80施設)に,太陽光発電設備に関する有効な導入手法など,様々な事項について,民間事業者の視点から,アイデアやノウハウを提案していただきました。
対話の実施
実施要領の公表 |
令和6年2月22日(木) |
サウンディング調査参加申込 |
令和6年2月22日(木)~3月15日(金) |
サウンディング調査の実施(個別実施) |
令和6年3月22日(金)~3月29日(金)
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※以後,追加の対話を実施
実施要領等
呉市ホームページ:https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/18/taiyoukousounding2024.html
提案者
2事業者
提案内容
1 事業導入の手法
- より多くの太陽光発電設備を導入するためには,施設規模にあった手法(電気使用量が多い施設(高圧)は「従量制PPA(※)」,電力使用量が少ない施設(低圧)は「定額制PPA又はリース」)を推奨する。
- 環境省の補助金「地域レジリエンス・脱炭素化を同時実現する公共施設への自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業」を活用できる施設は、市の財政負担を軽減できるため、優先的かつ補助金の予算組みがされている近い時期に実施することが推奨される。
- リース契約では防水施工のみの契約はできないが,太陽光発電設備等の設置工事に関わる付帯の防水工事であればリース契約も可能となる。
- PPA契約では同様に防水施工と太陽光発電設備等の総工費に対して電力の購入単価が決定するため,防水費用も含むことが可能である。
- 陸屋根の施設は,防水施工を行う必要がある施設が多く見受けられたため,太陽光発電設備施工時に防水施工も同時に行うことを考えると,防水費用も含むPPA契約が推奨される。
- 折板屋根や傾斜屋根は,防水施工が不要である施設も存在するため,リース契約にて導入する方法が経済性,保守メンテナンス,運用リスクを考えると適している。
- 環境省の補助金は施設ごとの申請となるので,PPAまたはリース契約による申請が可能である。
- PPAでは事業性が求められ,PPA事業者は200kWを超える規模程度を求められるケースが多く,電力の消費量も必要となる。
- 他市での導入は,PPAとリースでそれぞれあるが,リースで導入したほうが20%程度安く実施できる。
- 施設の屋根に太陽光設備を設置するのではなく,駐車場に設置できるソーラーカーポートを検討してはどうか。
- 現在,屋根貸し等で既に太陽発電設備が設置されている施設についても,新設の自家消費型であれば設置することができる。
- ※ PPA
- PPA(Power Purchase Agreement)とは電力販売契約という意味で,第三者モデルとも呼ばれています。企業・自治体が保有する施設の屋根や遊休地を事業者が借り、無償で太陽光発電設備を設置し、発電した電気を企業・自治体が保有する施設で使うことで,電気料⾦とCO2排出の削減ができます。設備の所有は第三者(事業者または別の出資者)となりますので,資産保有をすることなく再エネ利用が実現できます。
- 環境省再生可能エネルギー導入方法PPAモデル:https://ondankataisaku.env.go.jp/re-start/howto/03/<外部リンク>
2 太陽光設備の防水施工,管理
- 防水施工は,基本的に設置前にしたほうがよい。
- 導入期間中に太陽光発電設備を取り外し,再度防水施工を行うことが多い。
- 防水の施工保証を20年(または30年)付ける事ができる,環境にやさしい材料と工法がある。
- PPAで導入した場合,導入期間中に不必要になる可能性があるため,防水施工,太陽光発電設備の再設置費用はPPA単価に含めなくてもよいのではないか。
- 太陽光発電設備を常時監視できる遠隔監視システムを導入し,管理を行う。
3 屋根貸し(太陽光発電)施設の契約期間終了後の対応
- 一般的には,現在の設置者が太陽光発電設備を撤去し,新たな太陽光発電設備を設置する。
- 保証等の問題があるが,現在の太陽光発電設備を譲渡や改修し,引き継ぐことも可能である。
- 契約内容によるが,契約満了後には基本的には無償譲渡とすることが多く,その後の撤去や譲渡,改修(リパワリング)など引き継ぐことが可能である。
今後について
今回のサウンディングによって,事業導入の手法,事業の可能性,スケジュールなどをはじめとして,多くの有益な情報を提供していただきました。
今後は,これらの提供内容を参考にして,事業化に向けた具体的な公募内容を検討していきます。