令和4年の冬,推定2ヶ月の兄弟姉妹6匹が保護されました。
収容時から心身の状態が悪く,環境・食事など特に配慮が必要な兄弟姉妹でした。
呉市動物愛護センターを応援してくださっている皆さまからご寄付いただいた物資のおかげで,すくすくと元気に育っています。
今では先輩犬とのびのび遊びながら,新しい家族とのご縁を待っています。
☆呉市動物愛護センターにいる譲渡対象については「譲渡する犬・猫の情報」をご覧ください。
【ホームページ 譲渡対象用 写真撮影の様子】
環境のこと |
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子犬は成犬よりも排泄回数が多い時期です。
この子犬たちは保護された時から下痢や血便で,排泄物の中には食べ物では無い物も混ざっていました。
しばらくそのような辛い状態が続き,下痢などで体が汚れ,病気にならないように1日に何回もケージの掃除が必要でした。
【保護されてから,少し体調が落ち着いてきた時の様子】
食事のこと |
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体はとても細く,皮膚の一部が荒れ,脱毛している状態でした。
収容されたばかりの犬は人と環境が怖く,何日も食べない,食べても少しだけの場合があります。
この子犬達も,恐怖心と警戒心,体調不良などの理由から,生きるために必要な「ご飯をたくさん食べる」という事がなかなかできませんでした。
食事は高栄養かつ皮膚にいい物を中心に,さらに消化しやすいように柔らかくし,少量しか食べられなくても体の調子が良くなるよう取り組みました。
時間はかかりましたが,いまでは下痢・血便も治まり,食欲旺盛にもなり,順調に大きくなっています。
皮膚のこと |
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呉市動物愛護センターでは,収容されてすぐにノミ・ダニを薬で落とします。あまりにもノミ・ダニが多く,すべて落ちきるまでに数日かかる場合もあります。
この子犬たちはノミ・ダニの問題だけでなく,皮膚の状態が悪く薬用シャンプーでの処置も必要としていました。
そのような場合,すぐにシャンプーをしたい所ですが,子犬の心身の状態から,まずはご飯をしっかり食べて体力をつけること,恐怖心・警戒心が落ち着くことを優先しました。
シャンプーができるようになることを目標に,まずは人の手から食べ物を食べられる,次に体を触られることに慣れる,さらにタオルで体を拭かれることに慣れるなどの経験を個々のペースで積み重ねました。
この時,経験への印象を良くするため,個々の緊張状態をみながらチュールやジャーキーなど,食べやすいおやつの形状も考えながら使用しました。
初めてのシャンプーでは,パニックを起こさずに,犬も人も怪我すること無く安全に終えることができました。
シャンプー後は,水分と栄養補給,ご褒美をかねて美味しいドリンクを飲んでもらいました。
薬用シャンプーは1回だけでなく,皮膚の状態をみながら継続しています。
【薬用シャンプーの様子】 【シャンプー後の水分補給の様子】
他犬と人とのかかわりのこと |
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呉市動物愛護センターでは,毎日心身の状態を複数の目で確認しながら,「どのようにしたら人を好きになってもらえるか」を目標に様々なことに取り組んでいます。
その取り組みの中で,他犬とのかかわりがあります。兄弟姉妹以外の犬とのかかわりが刺激になり,犬社会のことを学ぶだけでなく,人が好きな犬の様子を見て,人とのかかわり方も少しずつ学んでいきます。
もちろん,犬同士が安全によい関係を築けるように,かかわるタイミングも慎重に検討します。
お散歩練習でもおやつを使い分けながら,犬同士でよい経験が積めるよう,毎日組み合わせを考えながら行っています。
【成犬や他の子犬たちと遊ぶ様子,お散歩練習とお座り練習の様子,犬用スリングで人馴れと抱っこの練習の様子など】
このように,呉市動物愛護センターにいる犬たちは,毎日経験を積み重ねながら,生涯をともにする方とのご縁を待っています。
子犬のお世話では,多くの方からご寄付いただいた物を使用させていただきました。
いつも温かいご支援とご協力をくださり,誠にありがとうございます。
☆呉市動物愛護センターにいる譲渡対象については「譲渡する犬・猫の情報」のページをご覧ください。
☆呉市動物愛護センターにいる犬・猫を譲渡希望の方は,事前に日時のご予約をお願いします。
【電話予約先】呉市動物愛護センター(0823-70-3711)
【電話予約受付日時】 平日 10時30分~15時00分
【予約来館可能時間】 平日 10時30分~15時00分
土・日・祝日 11時30分~14時00分