消火器の取扱方法
あなたの大切な財産や生命を救ってくれる消火器。一家に1本くらいは備えておきたいものです。
でも,いざ「火事だ!」というとき,使い方に首をひねっていたのではいけません。いざというときのために訓練をしておきましょう
粉末ABC消火器の使い方
1消火器を火元まで運ぶ。
2安全栓を抜く。
3ノズルを取る。
4ノズルを火点に向ける。
5レバーを強く握る。握れない場合は,体重をかける。
6放射する。
使うときに気を付ける事
- 燃え上がる炎や煙に惑わされない。放射距離を考えて安全な所まで(約2~3メートル)火元に近づく。
- 消火器の放射時間は意外と短い。慌てず,落ち着いて噴射。
【例】粉末ABC消火器1.2kgで約15秒 - 火元を目掛けて噴射。ただし天ぷら油火災は,放射圧力により火炎が返ってきたりして危険。いったん壁などに当てることが大切です。
- 消火中,退路を断たれては大変。必ず逃げ道を背面に確保できる位置で消火する。天井に火が回ったら,あきらめ,素早く避難。
- 消火器でいったん消した後,もう一度水をかけて完全に消火。
消火器に関するQ&A
Q1:消火器はどんな場所に置いたらいいですか?
A1
置き場所によっては,消火器の老朽化を早めたり,いざ!火災というときにどこへ置いたか分からなくなって,使用できないことにもなります。
消火器は次のような場所にいつも置いておきましょう
- 台所や洗面所などで,水や油のかかるような所は避ける。
- ガスコンロやストーブの近くは避ける。
- 台所などで水の飛び散るところは,壁掛にするか,台の上に置く。
- 高さは,1.5メートル以下にする。棚の上など高い所に置かない。
- 風雨にさらされる屋外では,必ず格納箱に入れて保存する。
- 通行や避難の支障にならない所へ置く
Q2:消火器で事故があったと聞きますが,どういう事ですか?
A2
老朽化した消火器にご用心。
消火器は,使わなくても年とともに老朽化します。 また,管理が悪いと,消火器本体に変形,さびなどが発生していることがあります。
このような,消火器を使用すると,加圧圧力によって容器が破損し,思わぬ事故につながることがあります。
今までに発生している消火器事故は,主に加圧式の消火器によって生じていますこの理由としては,使用する際に圧力が容器全体にかかるという加圧式の消火器の構造上の特性に対する私たちの理解が不十分であるという点に一因があります。
古くなった消火器には十分注意してください
「事故例」
64歳の男性が,野焼きの火を消そうと消火器を使った時,消火器の底が破裂しその消火器がまるでロケットの様になり,男性のあごを直撃,意識不明の重体となりました。
原因は,消火器の底がさびていたためと見られています。
消火器による事故を防ぐために
このような消火器による事故を防ぐために,次のことに注意しましょう。
- できるだけ風通しがよく,目につきやすい場所に設置する。
- 直射日光を受ける場所,頻繁に水を使う場所,雨のかかる場所での保管ををさける。
- さび,腐食,変形,キャップのゆるみなど,異常があれば専門の業者などに点検してもらう。
- 消火器を廃棄するときは,みだりに放置せず,その消火器を購入した業者に依頼する。
- 廃棄された消火器は,放射訓練などには絶対使わない。
消火器は,いつでも使えるように,次の点に注意して普段から点検しましょう。
- さび,塗装の剥げているところ,変形,損傷などがないか。
- ゆるみはないか。
- 安全栓の変形,損傷,紛失などがないか。
- ホースに亀裂はないか。
Q3:不用になった消火器は,どこに捨てるの?
A3
不用になった消火器は購入した店に・・・
古く,不用になった消火器の廃棄については,購入した専門の店に相談してください。その他,電話帳で「消防設備」のページでお近くのお店に相談してみてください。(有料)
消火器は,普通のゴミとは違います。古くなっても圧力容器なのです。そのままゴミとして捨てられません。
また,いい機会だからと放射訓練などにも絶対に使わないでください。思わぬ事故のもとになります。十分注意してください。
Q4 消火器や薬剤の寿命は?
A4
消火器や薬剤は,何年で使えなくなり,交換しなければならないというようなものではありません。
しかし,消火器の保管の仕方によっては,中の薬剤が湿気により,固まってしまったり,容器本体がさびついてしまったりして,いざというときに使えなくなってしまいます。
家庭に最も普及している粉末ABC消火器では,おおむね5年に一度専門の業者に点検してもらうのがよいでしょう。耐用年数は,おおむね8~10年だといわれています。
消火器を買うときの心がけ
消火器を購入する場合,注意しておきたいのは,家庭用消火器の悪質な訪問販売による問題が少なくないことです。
「設置することが義務付けられました」とか,アパートなどを対象に「各部屋ごとに備え付けないといけません」などといって,割高な価格で買わされることがあります。特に「消防署からきました」といって,安心させるのも一つの手口のようです。消火器を買うときの心掛けとして次のことに注意しましょう。
- 消防署は,販売業者に許可や認可をすることはないので,そんな言葉にはだまされない。
- 一般家庭に消火器の設置義務はない
- 消防署では,消火器の販売をしない
- 使い方,維持管理のアフターサービスなどについて,納得いくまで説明を受ける。
- 消火器に国家検定マークがついているかどうか確かめる。
- 買っても買いっぱっなしはダメ。定期的に点検も必要。
- 消火器専門販売店などで購入すれば安心。
- 購入後の定期点検や薬剤の詰め替え,廃棄などのことがあるので,近くの店で購入する。