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平成27年度 総務委員会視察報告

期日

平成28年1月14日(木曜日)~16日(土曜日)

視察委員

林田浩秋(委員長),池庄司孝臣(副委員長),阪井昌行,中原明夫,福永高美,北川一清,森本茂樹

視察都市

 
月   日視 察 先調 査 事 項
1月14日(木曜日)愛媛県松山市投票率の向上について
1月15日(金曜日)三重県松阪市
1月15日(金曜日)神奈川県鎌倉市

愛媛県松山市

 松山市では,投票率向上に向け,(1)広告・宣伝による周知,(2)顧客満足度を得るための利便性の向上,(3)ブランディングのための主権者教育の三つを掲げ,取り組みを行っている。市場に例えると,商品を売るために,付加価値をつけ,売り場を確保し,CMなどを流す仕組みである。
 まず,一つ目の周知については,選挙コンシェルジュや選挙クルーとして大学生や高校生などを認定し,投票日,投票場所,投票方法等を選挙CM,選挙カフェ,SNSなどを広報媒体として情報発信を行うものである。
 次に,二つ目の利便性の向上については,面倒くささの排除に視点を絞り,3カ所の商業施設,2カ所の大学に期日前投票所を設け,より近く,より便利な環境を準備していた。また,選挙の際,事前に送られてくる入場券の裏面に宣誓書をあらかじめ印刷し,それを前もって書くことで,期日前投票時の手続を簡素化し,より簡単に選挙ができるものとしていた。
 最後に,三つ目の主権者教育については,一番重要視し,力を傾注して取り組んでいる。近年,若年層の低投票率が問題視される中ではあるが,40~50歳代,いわゆる子育て世代の投票率の落ち込みが目立っていることに着目したもので,若年層への主権者教育を機に,その親世代に波及することをねらいとしている。法改正により選挙権が引き下げられたこともあり,若年層に「なぜ投票に行かないのか」と問い正すのではなく,「若い力を必要としている」と訴えることで,自分たちのまちは自分たちでつくるという精神を植えつけようとしていた。
 これらを実践した結果,前回の選挙に比べ,直近の選挙では20歳代前半の投票率が上昇していた。この要因として考えられるのは,市内にある大学との連携により,全国で初めて大学構内に期日前投票所を設置することで,気軽に投票に行くことができる環境を整備したこと,また,選挙コンシェルジュ制度の導入により,若年層への選挙啓発が広く行われたためである。若年層にターゲットを絞ることで,目に見える形として効果が出た点は参考になった。

三重県松阪市

 松阪市は,平成17年に1市4町が合併し,呉市の約2倍の広範な市域となった。平成22年の国政選挙より投票区が見直され,それまでの95投票区から61投票区に減少したが,直近の市議会議員選挙では投票率は60%を超え,それほど急激な投票率の低下は示していない。その要因分析は三つであると考えられる。
 一つ目は,選挙を実施する目的,すなわち選挙の争点である。近年,国政,市政への関心が薄れる中,選挙のタイミングにおいて,その争点がしっかりしていたことがあった。
 二つ目は,選挙公報の導入である。この選挙公報は,一般的には新聞折り込み等で各家庭に配布されるもので,これを見れば,有権者は立候補者自身が作成した主義・主張を知ることができる。ただ,発行に当たっては,市条例を制定する必要があり,松阪市では合併前の昭和57年に条例化し,合併後もその制度は引き継がれた。平成27年の市長選挙では,印刷費,新聞折り込み費等計35万円,また,平成25年の市議会議員選挙では,約 111万円の経費がかかった。
 三つ目は,選挙特典の実施である。これは,地元商店街連合会の自主的活動で行っている制度であるが,選挙管理委員会が交付する投票済証を商店街の店舗で提示すると,割り引きが受けられるもので,投票に行った人が特定の特典を受けられる。この投票済証は,投票した有権者が請求すれば選挙管理委員会が発行するものだが,本来,選挙に行くことで不利益を生じる場合,これにより弁明することを目的としている。ただ,投票済証の発行に際して,実質的な法令の根拠がないこと,利益誘導や買収につながるおそれがあることなど,導入に当たっては注意が必要である。

神奈川県鎌倉市

 鎌倉市では,市内のショッピングセンター内に当日投票所を設置した結果,その投票所は市内40投票区のうちで最も高い投票率であった。
 当初,緊急的な措置として投票場所の変更の検討をしていたが,社会的貢献,企業イメージ向上から企業側から打診があり,協議が始まった。設置に際して,投票時間と開店時間,店内のポスター・BGM・呼び出し,エレベーターやエスカレーターからの視線の遮断などに問題が生じたが,一つ一つ問題を解決し,開設にこぎつけた。投票を終えた有権者にアンケートを実施したところ,「普段から利用しているので足を運びやすい」,「投票のついでに買い物ができて便利」といった感想が大半を占める中,「地域外の人の目に触れてしまう」,「落ちついて投票できない」といった感想を述べる方もいた。
 実質,企業側からの申し入れにより,ショッピングセンターと市選挙管理委員会が覚書を交わすことで実現したが,何よりも,職員は常にアンテナを巡らし,投票率の向上という統一的な目標に向け,改革に積極的に取り組んでいた。


 当委員会としては,「投票率の分析・資料の収集」,「投票環境の整備」,「選挙啓発」の三つの論点に基づき協議を進めているが,いずれの市も「投票率の向上」に向けて,それぞれに知恵を絞り,変革しようとしていた。