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平成27年度 民生委員会行政視察報告

期日

平成28年1月14日(木曜日)~16日(土曜日)

視察委員

岩原昇(委員長),山本良二(副委員長),檜垣美良,久保東,谷本誠一,神田隆彦,片岡慶行,土井正純

視察都市

月   日視 察 先調 査 事 項
 
1月14日(木曜日)東京都世田谷区子育て支援について
1月15日(金曜日)東京都台東区
1月15日(金曜日)福島県いわき市

東京都世田谷区

 世田谷区は,近年,マンション建設等により,区の総人口及び児童人口は増加傾向にあり,特に就学前人口は毎年 1,000人ずつふえている。保育所の待機児童数が1,000名を超え,保育所整備が喫緊の課題となっていることから,平成27年3月3日には「子ども・子育て応援都市」を宣言し,区全体で子育て支援を推進する機運を高めている。また,平成27年度から36年度における「世田谷区子ども計画(第2期)」では,妊娠期からの切れ目のない支援・虐待予防を重点施策に掲げ,妊産婦から子育て家庭に寄り添いながら切れ目なく支える仕組みを身近な場から充実させることとしている。
 都市部の課題である核家族化による孤立防止等を目的として開設した「せたがや子育て応援アプリ」は,小学校就学前の子育て家庭を対象にさまざまな子育て支援情報等を提供するスマートフォン用アプリで,子育て支援情報や各種イベント情報の閲覧,保育施設の空き情報検索,施設マップなどの機能を持っており,お知らせ機能,プッシュ通知機能を活用し,地域や生年月に応じた健診,予防接種等の情報も発信している。平成26年10月に開設され,平成27年12月末現在のダウンロード数は1万件を超えているが,その中でも保育施設空き情報が最も多く閲覧されており,おむつがえや授乳スペースを検索できる施設マップは利用者に好評である。今後はアプリの一層の普及啓発を行うとともに,検索機能の充実を図り,区民の子育て支援に役立つツールとなるよう取り組んでいくこととしている。
 産後ケア事業は,親族等からの十分なケアが受けられず育児不安や体調不良等のある産後4カ月未満の母子を対象として母子ショートステイ,母子デイケアを実施し,育児不安解消や児童虐待予防を目指すことを目的に平成20年3月から実施している。武蔵野大学内に開設された産後ケアセンター桜新町において,24時間常駐の助産師による身体ケアや育児相談,授乳や沐浴などの育児技術の伝達,臨床心理士によるカウンセリングなどを行っている。利用者からは産後の不安定な時期に専門家のアドバイスを受けることができ,心身の安定を図ることができるという声があるなど大変好評であり,平成26年度の施設稼働率は96.9%となっている。今後は区民ニーズに対応するために必要な床数の確保,産後の時期に応じた効果的な支援について検討していくこととしている。

東京都台東区

 台東区では,子育て支援を区政における重要な施策を位置づけ,平成27年3月には「台東区次世代育成支援計画」を策定, 215事業を計画事業として体系化し,その推進に取り組んでいる。
 小児インフルエンザワクチン接種費助成は,子供のインフルエンザ感染及び重症化を予防するとともに,子育て家庭の経済的負担を緩和するため,区民や議会からの要望などを受け,平成19年度から実施している。対象は生後6カ月から中学生までで,助成は1接種当たり 2,000円を2回までとなっており,接種率は約50%である。インフルエンザは任意接種のため,勧奨には限界があるが,重症化や集団感染による学級閉鎖などを防ぐためにも接種率を向上させていきたいと考えている。また,子どもの生年月日等を入力すれば,予防接種のスケジュールや乳幼児健診の日程の管理などをしてくれる予防接種情報提供サービス「ワクチン・ナビ」も利用できるようになっており,予防接種全体の接種率向上にも努めている。
 たいとうすくすく手形は,区内在住の妊婦及び中学3年生までの子供がいる世帯を対象に,協賛店舗において手形を提示すれば,商品の割引やプレゼントなどのサービスが受けられる制度で,子育て世帯を経済的に応援するとともに,区内商店街店舗における消費拡大を目的として,平成20年10月から実施している。この手形を通して,地域とのかかわりや子育て世帯を地域全体で応援していく意識の醸成,商店街の活性化に一定の効果があると考えてはいるが,平成26年度に実施したアンケートでは利用率が半数以下となっており,多くの方に利用してもらえるような広報が課題となっている。
 にぎやか家庭応援プランは,第3子以降の子供の出生,小学校入学,中学校入学時に祝い品を贈呈する事業で,多子世帯の経済的負担を図り,子育てしやすい環境を整えることを目的に区議会からの施策要望に基づき施策化,平成18年度から実施している。こども商品券や図書カードなど3万円相当の祝い品を区民に選定してもらい贈呈する事業であり,平成24年度以降の申請率が90%を超える区民ニーズの高い事業であるが,制度導入当初に調査を実施した他区は既に事業廃止に至っており,今後は事業目的を踏まえ,ばらまきにならないよう祝い品の検討を行っていくこととしている。
 また,理由を問わず子供を預けることができる一時預かり事業や安心安全な子育てができる居住環境の整備を目的としたリフォーム工事に対して助成金を交付する子育て世帯住宅リフォーム支援制度など,近隣の市区にはない支援も行っている。

福島県いわき市

 いわき市では,妊娠,出産期から幼児期の学校教育・保育,学校教育期に至るまでの切れ目ない支援を実施するとともに,子育て支援を一元的,包括的な体制で実施するため,今年度,新たに「こどもみらい部」を設置し,子ども・子育て支援新制度への適切な対応を図っている。また,東日本大震災の影響により屋外での遊びに不安を持つ市民に対し,安心して遊ぶことができる場の確保のため,屋内遊び場の整備にも取り組んでいる。
 子育てコンシェルジュサービスは,昨年10月から開始した事業で,市内7地区の保健福祉センターに保育所,幼稚園などの施設や放課後児童クラブなどの子育て関連サービスの利用案内,子育てに関する相談などを行う子育てコンシェルジュ窓口を設置し,子育てに対するさまざまな支援を行っている。このうち4地区の保健福祉センターには保育士や幼稚園教諭などの資格を持つ専任の嘱託職員を配置して相談業務等を行っており,10月から12月までの3カ月間の相談件数は全体で約 2,200件となっている。相談内容は保育所や幼稚園への入所,一時預かりに関する相談が多く,子育ての悩みを気軽に相談ができるということで市民から大変好評であるが,平日夜間や土日祝日も対応してほしいという声も上がっている。今後は妊娠期からの対応も考え,保健師の採用をふやし,子育てコンシェルジュと一緒に相談ができるような体制を構築したいと考えている。
 出産支援金支給事業は,中核市の中で少子高齢化の進行が極めて高い状況にあり,東日本大震災以降,子育て世代の市外流出により人口減少も顕著になっていたことから,さらなる子育て支援の充実を図っていく必要性を鑑み,出産にかかる経済的な負担を軽減し,安心して子供を産み育てることができる環境整備に寄与することを目的に平成26年4月から実施している。支給額は第一子については5万円,第二子については 6.5万円,第三子以降は8万円である。制度開始2年目であるため,明確な効果を表すことは難しい状況であるが,市民へのアンケート調査では,経済的負担が軽くなった,次の子を出産するときの一助になるとの意見が出ている。