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平成30年度 議会運営委員会行政視察報告(委員長班)

期日

平成30年4月25日(水曜日)~27日(金曜日)

視察委員

片岡慶行(委員長)、山上文恵、神田隆彦、土井正純

視察都市

月   日視 察 先調 査 事 項
 
4月25日(水曜日)滋賀県彦根市議会運営・議会改革について
4月26日(木曜日)京都府亀岡市
4月27日(金曜日)奈良県奈良市

視察目的

 本市議会は、平成22年6月に議会基本条例を制定し、議会報告会の開催、一般質問や議案質疑における一問一答方式の導入、決算審査における事務事業評価の活用などのほか、タブレット端末の導入や議会図書室の機能強化などの議会改革に取り組んでいる。
 そのような中、他市の一般質問の方法や予算・決算の審査方法、議会改革の取り組みを参考とするため、視察を行った。

滋賀県彦根市

(1)調査内容

 彦根市議会では、質疑と一般質問を「質疑ならびに一般質問」として代表質問、個人質問の中で行っている。代表質問は3、9月定例会、個人質問は定例会ごとに行うこととしている。発言時間は代表質問60分以内、個人質問30分以内で、いずれも答弁を含まない。特筆すべきは、委員会での議案審査のあとに委員会が所管する事務について、通告も時間制限もない一般質問を行っているとのことである。
 予算の審査方法については、平成20年以前は常任委員会ごとに分割審査していたが、平成21年から特別委員会となり、平成28年5月臨時会で委員会条例を改正し、予算常任委員会を設置し審査している。委員構成は会派按分ではなく、専門性を重視し、予算常任委員会以外の3つの常任委員会から4人ずつ選出している。
 決算については特別委員会で審査し、委員構成は予算常任委員と正副議長を除く10人で分科会はない。審査日数は9月定例会中の3日間で、発言時間の制限はない。
 また、議会改革の取り組みとして、広報、広聴機能を充実するため、議場開放促進委員会、広報委員会、広聴委員会の3つの委員会を設置している。
 平成26年から開催している議会報告会は、これまでワークショップ形式やワールドカフェ方式での開催にも取り組んでいる。
 また、市民に議場をより身近に感じてもらうため、議場開放の一環として議場コンサートを開催している。開催時間は午前に会議がある日の午後30分程度とし、出演者は議員の仲介により出演交渉しているとのことである。
 そのほか、市の未来を担う子供たちに、議員として質問や提案をすることを通じて、市議会や市の取り組みを身近に感じ、興味を持ってもらうことを目的に、議場開放促進委員会が中心となり、市、教育委員会と合同で「子ども議会」を開催している。
 また、地方自治および地域社会の活性化と地域における人材育成に寄与することを目的に、彦根市議会は滋賀大学経済学部と連携及び協力に関する協定を平成29年8月に締結している。大学の講義に議員が参加し、市議会広報紙に大学生の意見を反映させるための意見交換を行ったとのことである。

(2)質疑応答

 委員会で一般質問を行うようになった経緯、委員会での委員外議員の発言、討論での発言時間、議会報告会でのファシリテーター、議会報告会からの政策提言、議選監査委員のあり方についての協議、議会広報紙などについて質疑が行われた。

(3)呉市での展開の可能性

 広報、広聴機能を充実するために3つの委員会を組織して取り組むことは、役割が明確になるだけでなく、議会全体で広報、広聴の推進を図ることとなり、開かれた議会の促進につながるのではないか。また、大学との連携についても、若者の意見を議会に取り入れることで、議会の活性化につながるのではないかと感じた。

京都府亀岡市

(1)調査内容

 亀岡市議会では、一般質問を代表質問と個人質問に分けており、代表質問は3月定例会のみ実施している。代表質問の発言時間は答弁を含まず40分以内、個人質問の発言時間は答弁を含めて45分以内で、3月定例会のみ会派配分としている。正副議長、議選監査委員は質問しないこととなっており、そのほかの議員は毎定例会質問している状況である。
 次に、予算の審査については、全議員の半数で構成する予算特別委員会で行い、分科会はない。委員会での発言の方法は、一問一答方式で1回当たり3項目以内、回数制限は原則ない。
 決算の審査については、議長と議選監査委員を除く全議員で構成する決算特別委員会に付託し、常任委員会単位とする分科会で審査している。審査においては、各分科会3項目を選定し、事務事業評価を実施している。
 議会改革の取り組みとしては、議会報告会と並行し、各自治会からの希望により「わがまちトーク」という意見交換会を実施している。平成28年度は5地域、平成29年度は4地域で開催し、各地域での課題について意見交換会を行った。また、平成29年には、成人式実行委員会と将来の亀岡像をテーマに意見交換を行った。
 また、議会活性化の一環として、平成30年6月議会から通年議会を実施するとのことである。定例会の会期を概ね1年間(6月~3月)とし、会期中は必要に応じて会議を開くことができ、これまで閉会中に市長が専決処分していた議案等を、迅速に審議できる体制を整える。会期は6月から翌年の3月末までとするが、議案審査や一般質問については、従来どおり6月、9月、12月、3月の各議会期間の中で実施し、会期中の休会期間に市長から議案が提出される場合は、特別議会を開き、速やかに議案を審議するとのことである。
 そのほか、反問権については、論点整理のために認めていたが、平成23年9月定例会より、制限なしの反問権とした。

(2)質疑応答

 通年議会の導入に至った経緯、これまで専決処分していた年度末の税制改正の対応、反問権行使の頻度や内容、議会広報紙における発言者の写真掲載や編集作業、常任委員会の同時開催などについて質疑が行われた。

(3)呉市での展開の可能性

 通年議会の導入については、以前の議会運営委員会で検討したこともあるが、議会が主導的、機動的に活動できるようになり、行政をチェックする機関としての議会の権能をさらに高められるのではないだろうか。現在、いくつかの議会が導入しているが、今後も他都市の事例を参考に通年議会の導入を研究していくべきであると感じた。

奈良県奈良市

(1)調査内容

 奈良市議会では、質疑と一般質問を併せて行っており、その中で代表質問と個人質問を行っている。代表質問、個人質問とも毎定例会行っており、代表質問の発言時間は答弁を含めて60分以内。個人質問の発言時間は、会派においては会派人数に15分を乗じた時間を割り当て、無所属議員においては1年間60分としている。いずれも答弁を含むこととしている。
 次に、予算と決算の審査方法は、奈良市議会委員会条例により常任委員会として予算決算委員会を規定している。議長を除く全議員で構成し、予算決算委員会に付託された議案は分科会で審査している。現在も予算決算案件の審査方法については検討中であり、以前のように選抜委員で構成する特別委員会での審査のほうがよいという意見もあるようである。
 審査の流れは、本会議で全議案の付託を受けた後に、委員会単位の分科会を開催する。分科会では質疑のみで、全ての分科会が開催された後、最後に全体会としての予算決算委員会を開催し、分科会での委員長報告、総括質疑、討論、採決を行う。
 そのほか議会改革の取り組みとして、平成23年の議長選挙における不祥事を受け、市民の信頼を回復するため、平成24年から正副議長選挙の立候補制を導入している。本会議を一旦休憩し、立候補者からの所信表明の後、本会議を再開して選挙を行う方法で、インターネット中継により公開した。しかし、立候補していない議員に票が入り、本来の目的である、市民に対し、どういった経緯で選ばれたかを明らかにすることが不透明になったことから、平成26年からは、本会議での所信表明をなくし、公開する議会運営委員会において、会派からの推薦者の氏名のみを表明し、立候補を擁立した理由を説明することとしている。
 また、議会の閉会中に発生した緊急の場合の有効な対策として、平成25年から文書質問を導入していた。1議員につき年4回までとし、1回当たりの質問件数は1件。質問は全議員に配付され、ホームページにも公開される。実績としては、年数件程度とのことである。

(2)質疑応答

 予算決算委員会の分科会での審査方法、正副議長選挙の立候補制を導入した背景、文書質問の質問内容や有効性、委員会での一般質問、議会改革の歴史、委員会でのインターネット中継などについて質疑が行われた。

(3)呉市での展開の可能性

 予算決算を常任委員会単位である分科会で審査する方法は、常任委員会が所管する事務を専門的に審査することができることとなる。今後の本市における予算決算の審査方法の参考としたい。
 また、本市議会は呉市議会基本条例第2条で議会の活動原則として「市民にわかりやすい議会運営」を規定している。正副議長選挙の立候補制は、これに沿ったものであり、今後の議会運営において必要なことではないかと感じた。