
処暑の候,暦の上では暑さがおさまる頃となりましたが,まだまだ残暑続く中,呉市立学校においては2学期がスタートしました。
保護者,地域の方々,市民の皆様には,日頃から,子どもたちの成長を支え,見守り,呉の学校教育に対しまして御理解と御協力をいただいていることに,心より感謝申し上げます。
4月に教育長に就任し,5か月が経過しました。
1学期に行った学校訪問では,子どもたちが友達と楽しそうに,時には真剣な表情で意見を交わす姿から,学校が安心できる充実した学びの場であることを強く実感いたしました。また,子どもたちの可能性を引き出す熱心な指導や支援,声かけを行っている教職員の姿を目にすることができました。子どもたちの姿に大きな喜びと頼もしさを覚えたとともに,学校教育がもつ役割の重要性と現場が担う重責を,改めて肌で感じたところです。
夏休み中には,中学校2年生及び義務教育学校8年生を対象とした「キャリア・スタート・ウィーク」や小学校及び義務教育学校5年生を対象とした「オーケストラ鑑賞教室~くれリンクアップコンサート~」を見学いたしました。
「キャリア・スタート・ウィーク」は,生徒一人一人の社会的・職業的自立に向けた職場体験学習ですが,日常とは違う環境の中で,緊張しながらも多くの貴重な体験ができました。地元企業等,多くの皆様の御理解と御協力に対し,深く感謝申し上げます。
「くれリンクアップコンサート」は,ニューヨークのカーネギーホールで開発された小学校向けの音楽教育プログラムをもとに,広島交響楽団や歌手の演奏に合わせて子どもたちも歌ったり演奏したりする参加型のコンサートです。子どもたちは,音楽の美しさや楽しさを体験することにより,感性や表現力が豊かに育まれ,仲間とともに歌や演奏を合わせる喜びと達成感を得ることができました。本コンサートは,世界の様々な場所で開催されていますが,日本では呉市を含めた3市のみでの取組です。今後も,子どもたちのためにこうした貴重な体験の場を大切にしていきたいと考えています。
2学期を迎え,私自身もより一層,教育長としての職責の重さを感じているところですが,呉の未来を担う子どもたちの教育に関わることができる喜びを胸に,2学期以降も気持ちを新たに「子どもたちのために」という基本を忘れることなく,呉の教育の推進に取り組んでまいります。
その中で,改めて感じたことがあります。それは,学校教育の中心にあるのはやはり「人」だということです。安全・安心な教育環境を含め,子どもたちに日々向き合う教職員や子どもたちを日々温かく見守ってくださる保護者や地域の皆様等の存在なくして,学校教育は成り立ちません。
教育を取り巻く環境が大きく変化する中,子どもたちが抱える課題は複雑化,多様化しています。いじめ・不登校等への対応や多様性の尊重,命を大切にする教育の充実,更には学校の働き方改革,学校と家庭・地域との連携・強化など,学校だけでは解決困難な状況も増えています。
こうした現状を踏まえ,これからの教育委員会には今まで以上に「学校を支える」という視点が必要だと感じています。子どもたちが健やかに育つ「学びやすい環境づくり」と,教職員が情熱を持って子どもたちに向き合える「働きやすい環境づくり」,この二つを今後とも教育行政の重要な両輪と位置付け,全力で進めてまいります。
呉の学校教育は「未来を創る人材の育成」を目標に,新しい時代に必要な資質・能力を育成することを通して,子どもたち一人一人のウェルビーイングを目指し,すべての子どもが主役となれる学校づくりに取り組んでまいります。「安全・安心で信頼される学校づくり」に向けて,学校・家庭・地域が協働した取組を進めていきながら,呉の教育を前へ進めていきたいと思います。
今後とも,本市の教育の推進に御理解,御支援をよろしくお願いいたします。
呉市教育委員会教育長 多田 博